夢を見る。
それはナナリーとユフィと笑っていたり、
コーネリア姉様とお茶をしていたり、クロヴィス兄様と口論していたり。
あなたと一緒にいたり。
母親が違う兄妹だというのに、誰もが優しい顔で。
住む宮が違う兄妹だというのに、誰もが楽しそうで。
ああ、仲がいいのだな、と。
なのに突然夢は様変わりする。
暗闇の中、私は一人耳を塞いでいる。
違う、違う、そんなことあるはずがない。
そう繰り返し呟きながら、私は床に座り込んで耳を塞いで頭を横に振っている。
違う。
何が?
そんなことあるはずがない。
どんなことが?
だってあの人は私の―――!!!
そこで目が覚める。
目が覚めれば私は何故か泣いている。
泣いて誰かの名前を呼んでいる。
私の口が紡いでいるのに、私にその名前は聞こえない。
聞こえな…かったのだ。今までは。
気づくな、気づくな、気づいてはいけない。
いけなかったのに!!
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