「お兄様ったら、まだ逃げてらっしゃるのかしら」
ユフィが片頬に手を添えてため息を吐く。
けれど私は会いにきてくださらなくなったあなたを思っていたため、
何も聞いてはいなかった。
「もう、こうなったらデートしかないかしら」
そう半ば本気な目をして呟いた言葉も聞いていなかった。
そのため、笑顔で、そうね、そうしましょう!と手を打つ姿に我に返った。
何を、と聞く間もなくユフィはじゃあ、決まりね、ルルーシュと笑っていた。
また明日迎えにくるわ、と帰っていったユーフェミアに、
残された私は意識を飛ばしていた間、一体何が会ったのかと首を傾げるばかり。
そうして思うのはあなたのこと。
どうやってあなたに会おう。
あなたは会ってくれるだろうか。
あなたに何を言おう。
あなたは聞いてくれるだろうか。
戻らない記憶。
それでも蘇った想い。
それを、あなたは。
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